懐かしい雑誌
ゴールデンウィークでお休みを頂いていた間、家の本棚を整理しておりましたら、大変懐かしい雑誌が出てきました。
18年前のメンズクラブ・ドルソです。
この雑誌はメンズクラブの番外編みたいなもので、当時は確か年に4回発刊されていたものです。
18年前、私は大阪の貝塚にあるリングヂャケットの工場で働いていました。
入社して、私にとって初めて大掛かりな取材が来て雑誌に載ったので、とても思い出深い一冊です。
下の写真に写っているのが当時の技術責任者だった金子一さんです。
この方が工場で毎月2回、日曜日に工場を開放して「金子塾」という勉強会を開いて下さっていました。
そこで私も最初にジャケットの丸縫いを学びました。
ここで学んだ事が今の私の出発点になっています。今振り返っても本当にありがたかったと思います。
当時は今と違ってインターネットもなかった時代で、どこでどう紳士服の仕立てを学べば良いのかほとんど手掛かりのない時代でした。
このページの右上に写っているのはチッチオの上木氏です。
この頃からやっぱり雰囲気がありますねぇ。
初めて会った時から「この人は何か違う。」と思っていましたが、今や日本を代表するサルトとなった彼を見るにつけ、私の目は間違っていなかったなと思います。
今でも常に私の目標です。
ところで、誰からも意外に思われるのですが、私と彼は同い年です。
私が入る半年前に入社していて、最初の1ヶ月は同じ仕上げプレスの部署で働いていました。
下の名前も同じ「のりゆき」なので、私は勝手に親近感を抱いていました(笑)
2年間一緒に働いて、よく帰り道一緒に話しながら歩いたのを懐かしく思い出します。
彼がリングを辞めてイタリアに行く事になった時は本当に泣きました。。
私も一応この集合写真の右端に写っています。記念すべき雑誌デビューの第一号なのです(笑)
ここだけの話、本当はこの時、フィレンツェで活躍する宮平氏も働いていたのですが、シャイな彼は写るのを拒否したようです。今思えば一緒に写っていたらなあと思います。
ちなみに左から3番目の羽賀さんは現在、同じ船場ビルディングで「ラボラトリオ」という服修理のお店を営んでいる、凄腕のリペア職人となっておられます。
文面には「日本のスーツ界を引っ張る若き職人たち」と紹介されています。
私もその紹介に恥じない様にこれからも精進していかねばと、心持ちを新たにした1日でした。