Raffaniello’s diary

サルトリア ラファニエロのブログです。

毛芯のダーツ分量

仮縫い作成中です。



写真は服の土台となる毛芯を使っている所です。


ビスポークの場合はこの毛芯も一から作って行きます。


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三箇所の縫い目が見えるかと思いますが、こちらはダーツをつまんだものになります。(総手縫いなのでこちらも手縫いで仕上げております。)




最近余裕があるので、ダーツの役割について初歩的な説明を。



平らな紙で説明しますが、三角形の印がダーツです。


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この印をカットして、切り端を繋ぎ合わせると、

 

このような形になります。


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横から見ると分かり易いですが、この様に平らだった紙が円錐形の立体になります。


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このように2次元の平らな生地を3次元の立体物にしてくれるのがダーツの役割です。


毛芯にこうしたダーツを取る事で、胸の膨らみに沿う様な立体を作り出している事になります。



このダーツをどの程度の角度で取っていくかで仕上がりも変わってきます。例えば、、



先程より大きな角度でダーツを取ると、


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先程より高い円錐形になっているのがお分かり頂けるかと思います。


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これでより立体的な胸の膨らみを作る事が出来るという事になります。



痩身の方、筋肉質の方といったお客様の身体の特徴に合わせて、1着1着ダーツの取り方も微妙に変えたりしております。


このダーツ分量をいくら位取るか、またはどの位置で取るかという所も、職人によって千差万別なのが面白い所です。


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理論上はより多くダーツ分量を取った方が、より立体的になるように思えるのですが、個人的にはやり過ぎは禁物かと思います。

  


肩を入れてボディに掛けた際、脇が横に広がらず、ボディに沿って吸い付いているか。ここが私にとってのポイントです。


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出来上がれば表からは見えない毛芯というパーツですが、ダーツの取り方など一つ一つに作り手の色々な考えが詰まっています。