3着目からの真価

こうして製作過程をブログに書くのも何年か振りになりますが。　

今製作中のリネンジャケットの過程をざっとご紹介していきます。

もう3着目のご注文のお客様ですので、中縫いは飛ばして、仮縫いから一気に完成まで進めております。

裏地はちょっと変わった素材を使用しております。国産のコットンガーゼです。　　

夏には汗をかいてもさらっと着られるかと。

通常は仮縫い、中縫いと二回の仮縫いを行うのですが、納期の早さ重視のお客様に対してはご要望に応じて省略する事もあります。あくまで仮縫いの時に大きな問題がなければですが。

こちらのお客様は少々肩傾斜と首周りのフィッティングが難しく、1着目は3回ほど仮縫いをお願い致しました。

そこから続けてご注文頂き今回で3着目になるのですが、3着目ともなると1回目の仮縫いでほぼ修正は必要ないレベルに型紙が育ちました。

良く、ビスポークは3着目からが真価を発揮すると言われますが、それはその通りかなと思います。

作り手としても1着目から100点の出来を目指して全力は尽くしますが、お客様の好みとの擦り合わせもあり、その実現が中々難しい事もあります。

そこをご理解頂いて、大らかな心で気長にお付き合い頂くと、その先には素晴らしい服との出会いが待っているかも知れません。