上衿
コロナの影響で重たい雰囲気が続いておりますが、今日もお店に一人で黙々と作業を進めております。
今日は靴磨き職人の石見さんがお店に遊びに来て下さり、お互いの近況について色々と話していたのですが、靴磨き業界も本当に大変なようですね。。
ハーバード大学の試算によるとこの影響は2022年まで続くとの事ですが、本当にそうなると私達のような趣向性の高い業種の職人達は果たして何人生き残れるのでしょうか。
しかし、先の事ばかり考えても仕方のない事。
今ご依頼頂いている注文に感謝して、自分に持てる技術を精一杯尽くして服を仕立てていく以外にありません。
ふと思い出したのですが、以前、納品直前に重篤な病が見つかったというお客様がいらっしゃいました。
大変落ち込まれていたそうですが、納品させて頂いたスーツを着て街を歩くと前向きな気持ちになれたと、誠にありがたいお言葉を頂いた事がありました。
服にはそうした人の気持ちを変える力があるのだという事を再認識しました。
暗い状況だからこそ、より良い服を着て頂いて、お客様に少しでも明るく前向きな気持ちになって頂く事。
そのお手伝いをさせて頂くのが自分の使命なのだと思います。
タイトルと全く違う内容の文章になりました事、お詫び申し上げます。
一人で黙々と作業しながら、今日はそんなことを考えておりました。
完成に向けて粛々と進めて参ります。