総手縫い
手織りツイードの仮縫い作成に入ります。
今回は貴重な手織りの生地ですので、せっかくなら縫製も全て手縫いでという事で、総手縫いでの仕立てをご提案させて頂きました。
サルト・ドメニカ時代はいわゆる副業として服を作っていた事もあり、全てのご注文を総手縫いで承っておりました。
しかしストラスブルゴに入り、この仕事が本業になった事で、通常のミシンを併用した仕立てと、ミシンを使用しない総手縫いの仕立ての2種類のラインを設けております。
総手縫いという呼び方はあまり馴染みのない呼び方かと思います。
ここ数年は色々な事情もあり、総手縫いでの仕立ての事を、一般的に伝わり易い「フルハンド」という呼称を使っていたのですが、私の中では厳密には
総手縫い=フルハンド
は、違うと考えています。
この辺りの事は説明し始めると少し長くなるので、また順を追ってじっくり説明出来ればと思います。
とりあえずこのブログの中では曖昧な表現を避けるため「総手縫い」という呼称を使っていく事にします。
総手縫いとは文字通り「全て手縫いで仕立てる」という事で、ミシンは一切使わずに仕立てて行きます。
通常、ダーツや脇の縫い目といった直線の縫い目はミシンを使うのですが、総手縫いは当然ここも全て手縫いにて仕立てていきます。
一本一本手織りで織られたツイードを、
一針一針手縫いで仕立てる。
ある意味究極に原始的な作り方ですが、そこに男のロマンを感じるのは私だけでしょうか?
一体どんな服に仕上がるか、私自身も楽しみです。